08.2日目 上腕MIPO+抜釘+Biphasic plate講義
1. MIPO
毎日、7:30からX線センターの会議室に集合
前日のOP・急患のX線を全員でチェック
最後はSommer先生が、本日の各部門担当医の点呼をとって、ICUへ
通常1件目は8時からなので7:50に抜けていくのだが、今日は患者の到着が遅れているから電話がきたら一緒に行こうと
本日は上腕近位のNeer 2part(大結節は転位なし)のMIPO
まんまPHILOSじゃないかという形のスイスのプレートを使っているとのこと
Aiming blockじゃなくてAiming armを使ってのMIPO
Anterolateralで入って、腋窩神経まで展開、外科頚の骨折部は基本みない(MIPOだから)
Bursaは切除したあと、後方と前方を剥離
二頭筋腱溝のすぐ外側に骨頭に向かってK-wireを一本、プレートを置く部分をおいて、大結節から骨頭にむかってK-wireを一本
これで、皮膚もretractできるし、Joystickにもつかえると
SSPのfoot printにFiber wireをかけてプレートはこの上に行かないように
ISPにもかける
SScはあまりかけないそう
プレート挿入部を筋層下に剥離、骨幹部はその骨を感じた方向と、実際触ってみて向きを決める。まったく透視はみないというね。
Aiming armをつけてプレートを滑り込ませて、K-wireをjoystickにしつつプレートの位置を調整、最近位前方で仮固定、よかったら最近位後方のLHSを挿入
骨幹部の最遠位にstab incisionでK-wire挿入、現時点で骨幹部近位の内方化あり
K-wireはmonocorticalでいれて透視で確認、shaftの中央に入っていないと変な位置でK-wireの先端がとまるか髄腔内に入らない
近位2穴目の楕円ホールにコーテックススクリューを挿入、内側のimpactionを壊しすぎないようにほどほどのところまで寄せると
すると、遠位を止めるときはゆがんでいるのでスリーブを抜くときに力がいるんだと
近位は基本4スクリュー。このスイス製のプレートはcalcarにむけて真横に打てるスクリューがあるので、今回はosteoporotic boneということもあり挿入
いわゆるCalcar screwは打たないのかと聞いたところ、それはopenにしないと打てないだろう?打たなくてもfailureしたこと少ないからneverだとのこと。これは好みの問題である。
Anterolateralでも、腋窩神経を触りつつ保護して、aiming blockで打つのは可能だからである。
stay sutureは8回結紮、本来は6回でいいはずだが、以前スクリューの位置がいまいちで次の日にやり直したときにもうknotが切れていたことがあったと。それが6回だったから俺は8回結ぶんだとおっしゃっている。信念の男である。
埋没縫合は結構間をあけて、最後はアルゲバー縫合を連続で、初めて見た
OPが終わったら、OP場で術後指示をいれ、OPレコを書き、家族に電話
キズの処置は?って聞いたらそれはナースの仕事だな、と言われました。入院がながければ初回の包交はやるで、ってことらしい。
2.抜釘
昨日の外来でも思ったが、基本抜釘を推奨しているようだ
患者が希望したからということにしているが、どうみても外来で推奨している気がする
PHILOSの抜釘が80%らしい
今日は肘頭のLCP2.4の抜釘、これは日本でも多く行われているだろう。
案の定、一本折損あり。headとneckでねじ切れてるパターン。頑張って、オーバードリルのデバイス使ったが、結局お残し。
ちなみにドレーピングはナースが一人でやっていた。
結構衝撃危なっかしい。がんばりすぎ。
3.ERの紹介
ショックトラウマ患者の初療室を見せてくれた
CTはすぐ移動してきて取れるパターンみたいだけど、初療室のすぐ近くにIVRできる設備はなかった。たぶんTAEよりパッキング文化なんだろう、今度聞いてみよう。
小児科病棟も紹介してもらった、めっちゃきれいでおしゃれ。
その帰りは外の道を通って
Sommer先生のお宅は、そこから見えそうで見えないくらいのところとのこと。「近いから呼ばれてもすぐ来られるんだよね、それがいいよ」とのこと、すげぇおっちゃんである。
4.Biphasic plate
新しくAOで開発した、大腿骨遠位部骨折用のプレートがあるんですよ
おそらく日本人はまだ一人も見たことないはず
Sommer先生が開発に携わっていて、
今日、TKA周囲骨折が来ていて、いつオペするのかと聞いたら
「明日だ、Biphasic plateでやるぞ」と
ここに来て、一番みたかったOPが3日目で行われるとはね。
その後、Biphasic plateについて論文を読んだがイマイチ理解できていないことを伝えると、30分くらい講義をしてくれました(贅沢でしょう、ドイツの学会で発表したスライドで教えてくれました)
・LISSベースの形態
・遠位に7本、近位に4本のLHSが入り、その間20cmの部分に骨折線がある骨折のみに適応があり、サイズは1サイズ展開
・部分荷重でも全荷重でも理想的な仮骨形成に望ましい0.5mmの動きを出せる
・即時全荷重に耐えられるインプラントの大きさ
・今後、展開するとすれば上腕近位用もいいかもしれない
大変勉強になりました。
確かにinnovativeなプレートです。
明日が楽しみ
5.レジデントの修了式
今週で3人のレジデントが修了
旧病棟の11階からさらにあがった屋上階でビール・ワイン片手に修了式
病院のロゴと外傷センターの表記がはいったVictorynoxの10徳ナイフが記念品でした
めちゃくちゃかっこいい、私も欲しい
レジデンシーは病院がクラス分けされていて、何の専門でどのクラスを何年やったかでCertificationがもらえるらしい。自分でプログラムを組まなきゃならないと教えてくれました。
ある学生は脳外科に進んで、PhDをとって日本で働きたいと。
偉いな。
英語で働けるのは基本東京や。東京に住んで、休みに地方に行ったらええでとアドバイスしておきました。
とりあえず、昼飯が3フランで済む(こちらは11.5フラン)こと伝えたら、東京って物価高いっておもってたんですけど、って言われました。
東京っていい街だなぁ。。。
イタリア出身の先生と話しました。
イタリアも6年研修したら専門医と名乗って良いらしい。でもそれだけだと当然経験が少ないので国として問題になっているとのこと。
日本は医局システムというものがあって、それでローテーションをまわしていることを説明。主任教授の権力について説明したら絶句してました。
いろんな国でいろんなやり方があるんですねー