外傷整形外科医スイスの田舎へ短期留学する

整形外科医がスイスに1ヶ月間短期留学しています

50. 11日目 回診+外来 スイスの外来リハの問題について

1.カンファ

今日からSommer先生は会議で3日間お休み

週末にやったオペは、撓骨遠位端骨折だけだったみたいで、Philippが普通のオペだし休みにわざわざ呼ぶほどのものじゃないと思ったよぉとのこと

後輩の学会発表の予演会があったのでちょうどよかった。

 

今日は月曜なので、カンファ→全病棟回診→今週のOP枠調整

明日、先日創外固定であるきまわってひどいことになったAnkleを内固定することになった。

アルコール依存症らしく、要注意だ、やりたくないなぁとみんな漏らしていた。

リスフランの脱臼骨折は入院、待機 今週末かなとのこと

 

2.外来と通院RH問題

午後はMichelitsch先生の外来見学

・下腿遠位骨幹部骨折(最初はほぼAのC)でMIPO→偽関節+スクリュー折損→プレート入れ替え+腸骨移植→偽関節+スクリュー折損→プレート入れ替え+RIAで移植しまくり→半年イマココ

という症例がいた

Consolidationでているが、少し遠位のスクリューがゆるんでいるのと痛みがあるとのこと

ガックシといった感じだ

1回目のリオペで骨幹端部の粉砕は直っているのだから、髄内釘が良かったんじゃないかと個人的には思う症例

 

・左大腿骨転子下粉砕骨折

骨折が小転子にものびていて、ワイヤー巻いたもののすっとんでしまった内側contactがとぼしいパターン

9Mで少しラグがゆるんできた

リオペかなぁと

Lateral notchingという論文を教えてもらった

これだけでいければ、体への負担はすくないし、Sommer先生にこれでどうでしょう、と送ったら

考えていることもわかるが、もしうまく行かなかった場合おそらくbreakageするだろう

リオペでは、もうこれで終わりにするという意気込みが大事だ

ということで、髄内釘入れ替えを含めたbig surgeryを来週行うことになった

 

・撓骨遠位端骨折

X線はほぼパーフェクトだが回外が硬い

リハビリがどうも悪いようだ

こちらでのリハビリシステムは

まず、病院でリハビリ処方箋を発行

次に、PTに開業権が与えられているので、そこにその処方箋をだすと受けられる

処方箋は、可動域制限や荷重制限、ある程度のやってほしいこと(ROM訓練、筋力訓練)を記載するだけで、あとはどうするかはPTに委ねられているとのこと。

特に、どこか懇意のところがあるわけではなく患者が自由に選んで行くのでPTのレベルがわからないことがこのスイスの問題だろうとMichelitsch先生は分析していた

興味深い問題である