70. 20日目(金曜日)最終日 お別れ+おみやげ
1. 朝カンファ
回診中に外科チームのFurrer教授とBumm教授とお別れの挨拶
今日も手術はなさそうだったので、20時の便だが電車がこまないうちに空港に行くことにした。
なので、ラストランチを楽しんでからとする。
部屋で荷物を最終パッキングし、ゴミ捨て完了
秘書のMarcoに部屋の鍵を持っていくと、まずバッジに入金した分をインフォメーションで返金してもらってから鍵とバッジをセキュリティセンターに返却したらOKとのことである。
昼過ぎにでる旨を伝えると、もう会えないかもしれないとのことでお別れの挨拶
Kantonsspital Graubundenのネーム入りのVictorinoxのレスキューツールをいただいた
宝物である、飾っておこう(山にいって落としたり出来ん)
間違えても飛行機の手荷物検査で没収されないように、すぐにスーツケースにしまいました
2. ランチ
今日でこのレストランを使うのも最後である
今週は毎日、Front cookingを食べていた(割引価格で13.5CHF)
今週は毎日ハンバーガーである
バンズの種類がいろいろ変わる、昨日はイカスミパンだった、今日はフォカッチャの様子
ビーフ・ポーク・チキンも日替わり
付け合せも日替わり、わりと野菜多めだが、フレンチフライの日は人気が高いようだ
Philipp・Lorenzo・Mathiusと食べる
Christianは今日は家に帰って食べて、また帰ってくるよとのこと
Lorenzoによると、Sommer先生は引退後いままで来たフェローに会いに行くのを計画しているとのことだ。
Philippが「俺たちがすべて予定をくまなくちゃならんのやろうなぁ」と遠い目をしていた
Lorenzoは「おこぼれで俺たちの誰かが付いていくに違いない」と
桜の季節にくるといいよと伝えた。
来るときは歓待しよう
ここでみんなとお別れ
All the bestと言うんだって
Christianはまだ家から帰ってきてなかったので、名刺にメッセージ残しておいた。
今週会えなかったGaloとValentinaもお世話になってので同じように書き置きしておいた。
バッジと鍵を返却、バスに乗り込んでいざチューリッヒまで
69. スイスの術後外来フォローについて
Christianにはリハビリのことを聞いたけど、
術後のフォローアップについてValentinaに聞いてみた。
前回、上腕骨幹部骨折を一緒に手術したけどどういう感じでフォローになるんかな?
・2日後に病棟で創部チェックしてドレーン抜去
・すぐ退院
・その後は自宅に近い家庭医で、創部チェックしてもらいステープラーの抜鉤や抜糸もしてもらう。
・定期的なフォローは術後6週で、それまでに創部の問題があれば電話が来る
とのことである。
Sommer先生がいっていたように、手関節骨折のようなCommon fractureで家が遠い人や認知症の頚部/転子部骨折などはそこでフォロー終了のようだ。
包交は基本的にNurseの仕事であるとのこと、とはいえ心配な創は自分でチェックしているみたいである。
Christianはリストでも骨癒合と機能がよくなるまではフォローしているみたいである。
認知症の頚部/転子部はわざわざ来させても、人生に何も影響をあたえないだろうから早期に手放すようだ
家庭医と連携することで、外科医の仕事を減らしているようである。
日本だと術後の創部チェックやフォロー、痛み止めの処方なども自分でみてるわ、と話すと大変だねぇと言われた。
チームで見るとトータルの仕事が減るし、自分の仕事に集中することができるからいいんじゃないかなとのこと
生産性が違う仕組みである
全部を海外いいなぁ、ってのはアホな考えなので
和式にmodifyして、もっといい方法ないかなぁと思う
68. みんな何歳なんだ
こっちに来て
25歳くらいだと思った
というかそんな歳なわけねぇだろ
と日本人は若くみられがちである
25歳は言いすぎだとおもうが、スーパーでは酒を買うとスタッフから本当に大人よね?とも聞かれる。
ひげを剃るのがだめなのか?
といいつつも、こちらも顔が平たくない人たちの年齢を予想するのは難しい
昼食時に聞いてみた
Sommer先生:63歳
Philipp:47歳
Christian:43歳
Mathius:33歳
Galo:32歳
Valentina:女性に聞くのは失礼かと思ってひよりました
Thiery:27歳(ひげあんのにわけぇな、クリス・エヴァンスみたいだよ)
わかんねぇ
とりあえず、自分からしてもみんな結構若くみえるよと思った一日でした
67. 19日目-2 ソマー先生との別れ、ゲストブックへ足跡を
1. 帰ってきた
Christianに勧められて、Maienfeldを散歩して帰ってきた
3時間もたたないshort trip
Christianは、そんな短時間で行って帰ってこられるの?とびっくりしていた。
2. カンファ後、Sommer先生との別れ
特に何もなし、今日の夕方も緊急手術はなさそうだ
勤務表をみてみると、どうやらSommer先生は明日いなさそうだ
夕方カンファにいらっしゃらなかったので、部屋を訪問
明日からDavosにいくとのこと
土曜からはMichelitschもPhillipもDavosで講師だし、来週は今週講師をやって帰ってくるThomasがひたすら頑張るんだろうか
最後の挨拶をして、ハグして、写真をとった。
Nothing to left?
と聞かれたので、普通は全部学んだというべきところだろうけど
偉大な男からまだ学びきれていないことがあると思うから、連絡してもいいですか?と聞くと
いつでもメールでも電話でもなんでもしてきなさいと
偉大な教師である
できれば、今度AOコース(Davosに私がいくか、AsiaのコースにSommer先生がいらっしゃるか)で会いましょう、というのが別れの挨拶となった。
3. ゲストブックにお手紙を
部屋に戻って、ゲストブックにお手紙をかく
昔のをながめていたら
かの高名なRoy Sanders先生もヴァンダービルト大のフェローだったころに来ていたようだ
機会があったら聞いてみよう、病院は建て増ししているけど場所はおなじだしなぁ
Manorという駅前のデパートで写真も印刷できた
携帯から100円で印刷できてとってもよい、外来とかOPとか忘年会とかでとった写真を1枚にしてつけてみた
なんか手紙が締まった感じにになる
ほかのひとと同じく名刺もつけて
みんな日本来るときは教えてくれよな
本当いい病院だったよ!
66. 19日目(木曜日)-1 ゆったりした日々、Maienfeldへ散歩、聖地巡礼か!?
1. ゆったりした朝
今日はゆったり
抜釘は何件かあるものの、超簡単なのばかりでフェローたちがやっている。手伝いもいりませんと。
ゆったりすぎて、ランチを食べているときに
Christianが「久々に晴れてるし、絶対散歩したほうがいいよ」とのこと
2. ハイジの村へ
というわけでMaienfeldにいってみることにしました。
MienfeldはChurから急行で2駅チューリッヒの方向に行ったところにある、アルプスの少女ハイジのモデルになった村ということで有名
あと、ワインの産地でもあります。
合間にワインの原料となるぶどう畑をみながら、駅から30分ほど丘を上がっていくと
Heidi dorfにつきます。
ハイジのお家や
おんじのお家などがあります
今日は改装中で中は見れませんが、これで十分
原作はスイスの児童書で
こんな少女が描かれているのですが
宮崎駿の力は偉大で、ヨーロッパ中で放送された中、スイスだけ放送されてないのに
Heidi dorfのおみやげ屋さんの扉になんと
ヨーゼフが
知ってましたか、ヨーゼフって原作に出てこないんだよ
アニメの影響でかすぎ、めっちゃわんこのおみやげ売ってそうだったよ。
ちなみにチューリッヒ空港にもめっちゃ売ってる
「spirit of switzerland」って店で
16時のカンファレンスに間に合わせるため、1時間半の散歩となりました。
夏に来るときっともっときれいだと思います。
3. ワイナリーは?
聖地巡礼を済ませた後、ワイナリーに行ってみたかったのですが
冬はやることがないのか、どこも休業中
諦めて電車にのって帰ってきました。
65. 18日目(水曜日) 撓骨遠位端骨折ORIF+上腕骨骨幹部骨折ORIF
1.撓骨遠位端骨折
午前はPhillipとMathiusが難しめのDRFをやっていたので見学
背側中央に大きめの陥没してインパクションした骨片があり、掌側からはアプローチできないところ
まず掌側からプレートを当てて壁にして
背側をあけてそこからおしこむ方針
EPLを露出して、その内外側で腱鞘ごとコンパートメントをネラトンで確保し、骨膜下に展開
2metaと橈骨骨幹部でディストラクターを使用して牽引
直視下に骨片を整復してK-wireで仮固定
橈側&背尺側のコラムプレートでバットレス、計3枚のプレートで固定
ちょっとメタメタしいなぁと思ってしまう
使っているプレートが古いVA-LCPなので、そこそこ遠位にせめて、いい位置にたくさんスクリューがはいるタイプじゃないからだろう。
もし自分がやるなら、整復は背側から追加しても、固定は掌側だけで終わらせたいなぁ
2. 上腕骨骨幹部骨折
午後は月曜に紹介されてきた上腕骨骨幹部骨折の患者の手術である
Valentiniが執刀でChristianが指導
内反変形癒合であり、イマイチの形なのだが、機能障害は全くなかったようなので、そのままの形で固定することとした。
前外側アプローチで展開、最初小さくきってどんどん大きくなってしまうのは世の常であるとChristianと話した。
骨折部を掻爬、髄内も掻爬し病理に提出
骨片間はワンポイントで整復し、3.5mmのラグスクリューで圧迫固定(ここはChristianがやっていた、割れちゃうと致命的だからかな)。
10穴のLCPラージで4本-4本で固定した。
64. 17日目(火曜日)大腿骨転子下骨折遷延癒合のリオペ
1. まだOff-season
午前はゆったり
2. 大腿骨転子下骨折のリオペ
先週の外来に来ていた症例である
リオペをChristianとPhilippと3人で
Sommer先生はオーストラリアの件で、TFNA系のラグと髄内釘の交わる部分の強度に疑問を持っているとのこと
そのため、入れ替えなしだと折損する可能性が高いから替えなさいと
Bossが左を向けと言ったら、われわれはみな左を向くしかない
でも、いつもBossの予言は当たるから入れ替えようと思うよ
きっと安心だね、と話をした
まず抜釘、特に破綻なし、ケーブルも一端をきってスルッとぬけた
骨折部を掻爬
外側から押し込んで外反させて、やや内側にエントリーをつくりつつ、ワンポイントでさらに外反方向に咬んだ状態でLFNを挿入
単純に短縮すると、かなり短くなる上に内反してしまう
内反だけは絶対だめだ!と3人で掛け声かけながらOP
近位をしっかり止めた
近位をしっかりとめてちゃんとしたAPのようであることを確認。
その状態で遠位の側面を見たときに、真ラテに入るホールが真円に見える状態でBrumenzaatsラインがきれいに見えたので回旋はまちがってないだろうと判断した
とはいえ小転子が飛んでるし、遷延癒合部分はdefectもあるので、近位がAPであるかもとっても難しいけどね。
Philippが手をおろして、牽引を外して遠位からたたいて、圧迫
だいぶdefectもなくなった
最終的にdefectにはDMBを置いてきた
とてもいいOPじゃないだろうか