28. 6日目 カンファ回診外来
1. カンファ&回診
週末のX線チェック
回診で、足関節の脱臼骨折に対してEx-Fixした症例あり
いまいち亜脱臼してるなぁ
Sommer先生も、日中X線撮り直し、あかんかったらリオペで再整復!と
その後コーヒータイム
まだyoungフェローのGalo先生とCorena先生とお話する。
St.Gallenでひどい保存方法の日本酒をみて、これはいかんよ、こっちではうまい日本酒飲めないと思うという話をすると
二人はもともとコロンビアとイタリアの先生で
地元のコーヒーを飲んで、こっちに来ると
全然コーヒーじゃないよ、やっぱりだめとのこと
地元の特産品はやっぱり誇りに思うものだね
とのこと
イタリアは日本と同じで高校までで英語教育は終わり、readingとwritingがメインで話せないひとも多いとのこと
英語と日本語の動詞の位置について話して、文法構造の違いが私には難しいと話をしてみたが、ドイツ語もそうだと言われた
だから、ドイツ語ばっかりしゃべるようになったから、英語をしゃべるときに順番が違って以前より英語をしゃべるのが難しく感じるようになったとのこと
もしかして、ドイツ語のほうが学びやすいのか?後期に2回しか出席しなかった自分にはわかりません。
ふたりとも、母国語+ドイツ語がめっちゃfluentで、英語もだいぶ上手だもの
やっぱり使う回数なんだなぁと思いました
2.外来
10時半くらいに回診が終了、今週のOP組みも10分くらいで終了して13時過ぎまでフリー。
木曜のスライド作ってました。
13:15からSommer先生の外来
研修医の先生も外来に参加
Sommer先生の術後の患者を予診して、Sommer先生の外来の合間に現状を報告
各骨折について手短にSommer先生がレクチャー
Sommer先生が研修医と一緒に診察して、最終的な判断をくだす
教育的な外来である
Sommer先生はひとりひとり丁寧に診察、診察時間が激短い日本ではなかなか同じようにやるのは厳しいが
しっかり、主訴を聞く、可動域を測定、創部・しびれがないかチェックを繰り返してました
ちゃんとした外来である
今日は、パラグライダー受傷の仙骨H型骨折・両足部粉砕骨折の患者や、TOMOFIX開発の初期メンバーの奥様がひざ周囲の骨切りをチューリッヒでうけて、良くならずかつ骨がつかずSommer先生に泣きついている患者などバラエティ豊かだった。
ひざの人は、ValgusタイプのOAで、いい感じにVarusになっていて、歩くのも痛くないが見た目で内反してきてるのが気になるとのこと
全然満足しない人なんだよ、うまいこといってるのにさぁ、細かいこと気にして、今度前の医者訴えるって言ってるし、困るよね、ああいう人。と、こういうめんどいネタは世界共通なのであるね。
3.外来途中のレクチャー
今日はゆったり外来だったのでSommer先生といろいろお話できた
大変教育的な先生で本当にありがたい
・フォローアップについて
橈骨遠位端や転子部骨折などは6wで問題なければ、放出
上腕近位・大腿骨頚部骨折のFNSでのORIF・ピロン骨折といった興味のある骨折については無限にフォロー
スキー外傷が非常に多く、50%くらいは旅行者だったり、遠方の人なのでフォローを完遂するのは難しいとのこと
興味のある骨折、遠方の人はメールでやり取りして、X線を送ってもらったりしているようだ
イギリスのX線はtrajectoryがイマイチだなぁ、と笑ってらした
・手術レジストリについて
外傷チームで手術した患者についてのレジストリとして、Sommer先生が管理しているfilemakerがあるとのこと
AO分類、FFP/Sanders/Vancouver/Rorabeckなど興味のある追加の分類と、手術をいつやったか・ExFix挟んだか・プレートかなど、決められたものを執刀医がチェックして、それを秘書さんが入れるそうだ
執刀医が誰で、誰がどの手術を何件やってるかもすぐ出るみたいだ
手術時の横断データしかなくてアウトカムがないのが問題とのこと、なんとうちのほうが進んでるとはね。
今度、うちのシステムも見せてみようと思う
20年で寛骨臼は250件、190件はSommer先生、最近はAssisstばかりが多いとのこと
今日から休み明けのStillhard先生が40件、Michelitsche先生が8件
骨盤のやってる数をみても、やっぱりMichelitsche先生とは同じくらいのようだ
親近感を感じるのはやっぱりそのせいか
骨盤も寛骨臼も、受傷機転が一番多いのはスキー、あとスポーツというのも多くて
Sommer先生いわく、ほとんどパラグライダーだとのこと
パラグライダーの怪我は一人でたくさん手術するところを持ってくるから大変だよとおっしゃっていた
・転子部骨折について
A1はDHSでいいけど、最近はもうネイルばっか
A2とA3はネイル、4パートのA3のひどいのはopenで整復して仮固定したあとにインプラントを入れられるからDHSが好きとのこと
若者はDHSやったことないよぉ、と笑っていらした
posteromedial supportのない症例に対してspecialな方針があるか?と伺ってみたが、ネイルかなぁ、ということで前内側バットレスという考えはなさそうだった
木曜のプレゼンでぜひ入れてくれといわれた
どちらかというと、iliofemoral ligで前方に引っ張られて転位するSubtypeAを、コリニアやプッシャーで戻すことは考えているとのことだが、SubtypePについては考えたことがなかったとのこと
日本で使う、lateral viewを使わず、True lateral(こちらではAxial)しか見ないからだろう
もうちょっと理論武装して、いろいろな先生とdiscussionしてみたいものである。
今度のDavosコースでお話する、DHSの症例を見せていただいた
基本的にハイエナジーでクローズで戻せない症例が多かった。
都合2時間ほどいろいろ教えていただいた、いい経験である。