外傷整形外科医スイスの田舎へ短期留学する

整形外科医がスイスに1ヶ月間短期留学しています

36. 10日目-2 下腿延長 Gustilo IIIB

1. カフェにて

手術後、コーヒータイムしようとのことで食堂でコーヒータイム

そのときに、先程の話で骨移植の話をしていたところ

骨移植といえば、骨欠損を伴うIIIBだとたくさんいるよねぇという話になり、4年くらい前までFree flapできる形成外科医がいなかったんだよという話になった。

下腿のIIIBで骨幹部の骨欠損おおいやつ(おおよそ骨幹部中央から遠位)どうする?といわれて、Free flap+IMN+Masquelet法でやっているという話をしたところ。

いまは、うちでもそれができるけど無理だった時は、よくBone transportしていたんだと。

軟部開けっ放しで、transportしていきつつ閉鎖する、聞いたことだけある方法かなと思ったら全然違った

11センチのもいけたよ、と言われて。

ホンマかいな?そりゃすごいと言ったら、

よっしゃ見せたるで!

ということでSommer先生のオフィスにいくことになりました

 

2. Acute shortening with subacute bone transport

どうやるかというと、Acute shorteningしてしまって、皮膚を閉じてしまう(閉じれなくてもシロモノが露出していない状態にして植皮でいける状況にする)

内側に創部があるなら、前外側プレートしたり

前外側なら、内側でMIPOしたりと

とりあえず遠位側はプレート固定

ある程度創部がよくなったら(3wから6wくらい)、脛骨近位と腓骨近位骨幹部で骨切りしてユニプラナーの創外固定器で脛骨を延長

基本的に創外固定は嫌いとのことで、

延長できたらPLT LISSで固定して創外固定を外す(遠位が前外側プレートでかぶるときは内側MIPOも追加)

 

注意点は、腓骨の骨折がある場合は先に内固定する

しないと、不思議なことに骨折してる遠位部分も延長されてしまうと

 

そんなacute shorteningしたらアキレス腱とか効くの?と聞いたら

最初は全然動かないんだ、だって

でも延長していくとtensionがかかるようになって急に足関節・足趾の運動が出てくるらしい

ホントかよ!

でも写真をみると本当に動いていた

すげぇな

 

下腿を残すか、アンプタするかはどう選んでる?と聞かれて

とっても難しい話だが、基本的には脚が残っていてほしいと思う人が多いので可能な限り残そうとおもって治療している。ただ、義足なら社会復帰も早いし、「走る」ことも可能になるのでいたずらに時間をかけるのも良くないこともあると思う。

と話をしたところ。

それはスイスでもやはり同じである。

患者・家族としっかり話をして、必要性が高いと思えば切断を勧めることもあるとのこと。

やはり共通の難しい問題である。