外傷整形外科医スイスの田舎へ短期留学する

整形外科医がスイスに1ヶ月間短期留学しています

51. 12日目 粉砕Ankle、長さを戻すのは誰もが難しい 腹臥位で内果も

1. 朝

朝はいつもどおりカンファ、回診、自由時間

 

2. Ankle conversion 腹臥位でそのまま内果も固定

午後はAnkleのconversion

創外固定されている、Type Cの三果骨折

せん妄であるいちゃったひとである

腓骨は骨幹部まで粉砕、後果は大きく、骨片間に粉砕骨片が挟まっている、内果も一部粉砕

 

自分であれば、

しっかり側臥位で、

・後外側アプローチ

・腓骨骨折で短縮をなんとかがんばってとる→整復されるであろうVolkmannをそれなりの展開でバットレスプレート固定
・仰臥位にして内果固定、前Jで関節面をみて整復

 

「Volkmannを戻すことで、腓骨の長さを出したい」というPhillipの考えで腹臥位とし、がっつり腓骨筋の内側を展開してVolkmannを整復

今日は、研修医の先生が最初切らせてもらっていたが、後果が整復できず展開で終了(そりゃそうだ、今日のは難易度高いよ)

整復ツールとして、ぎざぎざがついたやや曲がりの棒があって、それでひっかけながら押し込んでVolkmannを整復、その棒は中空雨になっており、そこからK-wireを刺入して仮固定ができるのだ

ドリルガイドを同じ用にしても使えるかもね

 

案の定、Volkmannを戻しても腓骨はアンダーである

腓骨筋の外側で入って、腓骨後方プレート部を展開する

当然引っ張ってもそうそう戻らないので、4つくらいに粉砕した腓骨をパズルしようと提案

大きな部分は解剖学的に整復して、スクリューでもどし、ちょい大きめ粉砕骨片のあるType Bにちかい形まで整復

私が内反かけつつ、フィリップがロブスター鉗子でひねりを加えつつ粉砕骨片を整復、ほぼ解剖学的な位置までもどせた。

その位置で腓骨遠位外側から距骨にむかってK-wireを刺入して仮固定

プレートをおき、遠位側をK-wireで仮固定、さきほどと同様にしつつ今度はプレートと腓骨の間をロブスター鉗子でかんで整復、近位にもK-wireで仮固定

さっきとちがってプレート越しのクランプであり、少し整復がずれており長さが1-2mmほどアンダー

これ以上粘っても割れそうだったので、この形で固定

 

仰臥位に戻して内果やるのか、Syndesmosisが不安定だったらどうすんだろう?と思っていたら、ひざを屈曲してこのまま内固定。

前方をみてあわすのは難しいだろうと思っていたところ、外側をあけて外側の皮質を合わせて整復するようだ。

何度もやっているようで、手慣れている。

整復するも、関節面がイマイチあわない。

骨折部を開いてみると、かなり薄く、大きな遊離骨片がはさまっていた。除去して整復すると結果は良好。

K-wireで仮固定、その後2本の2.7mmソリッドのコーテックススクリューでラグスクリューテクニックを使い固定。

ほとんど透視つかってないけどばっちり決まっている。ただ2.7mmはやっぱり頼りなく見える。

 

アル中、せん妄でEFで歩行しちゃうおっちゃんである。なんとかなりますように。